日中関係のギクシャク化

尖閣諸島の領有問題を巡って日中関係がギクシャク化しています。中国では日中国交正常化以降で最大の反日運動が起こり、日本企業の工場やスーパーなどがデモ隊に襲われました。

経済その他が密接に結びついている日中関係ですから、早期に関係が改善されることを願ってやみません。

岐阜で開かれた日中友好セミナー

日中関係が悪化している中、9月16日(日)に岐阜で日中友好セミナーが開催されました。セミナーは、「第5回 鑑真和上と栄叡(えいよ)大師を偲ぶ会・『日中の高僧と野崎康弘による健康説法』in岐阜」というものです。

栄叡大師は鑑真和上を日本へ迎えるために尽力したお坊さんで、長年の労苦のために中国で没しました。野崎康弘さんは岐阜市内で漢方薬局を開いている人で、鍼灸医もしています。仏教だけでなく医薬の面でも多大な貢献をしてくださった鑑真和上のことを非常に尊敬し、お礼をしなければと心から思っていて、中国・揚州市の大明寺と岐阜市近くの関市で薬草苑を世話しています。

このたび、野崎康弘さんの著書『今こそ必要! あなたの食養生と経絡養生』が出版されたこともあり、日中の高僧との健康説法となったわけです。

日本の高僧は正眼寺住職の山川宗玄老師、中国の高僧は揚州市・文峰寺住職の能度方丈です。実は当初、中国の高僧として、かつて鑑真和上の住んでいた大明寺住職の能修方丈が講演をするはずだったのですが、中国からの出国許可がおりないとのことで、兄弟寺である文峰寺住職の能度方丈が講演をしました。

岐阜での開催理由

セミナーの場所は長良川畔の岐阜都ホテルで、380人という大勢の人が聴きに来ていました。なぜこのようなセミナーが地方都市の岐阜で開催され、しかも会場いっぱいの聴衆が集まるかと言いますと、ひとつには、栄叡大師が美濃(岐阜県)の出身であること、もうひとつには野崎康弘さんが日々の仕事および仲間の人と一緒に薬草苑を世話することで、多くの人と深い繋がりができているためと思われます。

中国揚州・文峰寺の能度方丈の言葉

山川宗玄老師、能度方丈、野崎康弘さんの話、どれも素晴らしいものでしたが、一番印象に残ったのは、現在の日中関係のこともあり、能度方丈が話の最後に言った言葉でした。通訳された内容は概略こんなふうでした。

「健康で、長生きし、幸福になりましょう。それが日本の皆さんに、中国の皆さんに、世界の皆さんにもたらされますように!」