百匹目の猿

経営コンサルタントの船井幸雄さんの著書に『百匹目の猿』というものがあります。読んだのが20年くらい前ですから詳しくは覚えていないのですが、本のエッセンスは強く印象に残っています。

それは「一匹の猿がはじめた『サツマイモを洗う』という行為が、群れ全体に定着したとき、海を越え、遠く離れた別の群れの猿たちも同じ行動をとりはじめる」。「多くの『思い』が一定数に達したとき……それは『真実』になる」(注。共にAMAZONによる本の紹介文)というものでした。

船井さんは「百匹の猿の中の一匹になろう」と呼びかけていたのですが、私は記憶が曖昧になって、その後ながい間「101匹目の猿」と覚えていました。自分が101匹目の猿になれば何らかの良い影響を与えられる、何事も101回という数字をクリアするようにしよう、と思うようになりました。

101回を超えた「鏡清澄の最新情報」

この「奈良に関する鏡清澄の最新情報」も前回で101回を迎えました。2010年の9月に開始しましたから2年7か月かかったことになります。

最初は奈良・西ノ京にあります唐招提寺のことを書き、次第に薬師寺の話題を取り上げるようになりました。そして時々は西ノ京を離れて奈良の他の地域のことを記事にしました。

また、内容の性格的な変化としては、当初はお寺のことやお寺の行事を紹介するものが多かったのですが、1年を過ぎたころから、お寺に関係した人たちの姿や仏教の教え的なものについて述べることが増えたように思います。

掲載目標にしていた101回を越えましたので、ここで「奈良に関する鏡清澄の最新情報」は一区切りをつけ、これまでの掲載内容に加筆修正して本にしてみようと思います。

(なお、当ホームページでは今後しばらく「鏡清澄の旅の思い出」という記事を書いていき、ときどき奈良のトピックスを取り上げる積りです)

私の出版した3冊の本に共通するもの

今度本を出しますと、私としては4冊目となります。これまでに出版した3冊の本は次の通りです。

1)『迦陵頻伽(かりょうびんが)奈良に誓う』(四季美しい奈良を舞台にした現代小説)

2)『企業と人権 人権学習ことはじめ』(企業と人権に関する学習入門書)

3)『就活――人生の扉を開く』(大学生の就職活動についてアドバイス。共著)

3冊が異なる分野の本ですので、ある人から「的を絞った方が良いのでは?」とコメントをいただきました。しかし、私としては3冊の本で螺旋的に共通のメッセージを書いてきた積りです。

『奈良に誓う』では「精一杯生きていきます」と主人公が誓います。『企業と人権』では「人権学は(社会学であると同時に)人間学である」として、人間としての成長に取り組んでいって欲しいと述べています。『就活――人生の扉を開く』では若い人に「就職して充実した生活を構築していって欲しい。そのためには本質を磨くこと」と記しました。

つまり共通するものは「一所懸命生きていって、良い人になって欲しい」という思いです。そしてそれは取りも直さず、私自身が「精一杯努力していこう」と誓うことでもありました。