①初めて聞いた大和北部八十八ヶ所めぐり

奈良県には「大和北部八十八ヶ所霊場札所」があるということを知人から聞きました。江戸時代の明和六年(西暦1769年)に大和郡山の池田屋六兵衛という人が願主となって設置したそうです。

四国八十八ヶ所めぐりや西国三十三ヶ所めぐりというのはよく耳にしますが、 大和北部八十八ヶ所めぐりというのは知りませんでした。それもそのはず、弘法大師ゆかりのこの霊場札所はあまり宣伝もされず、忘れられた存在になっていたのです。

②奈良の町興しに取り組む人たちによる復活

奈良の町興しに取り組んでいる人たちが、忘れられていた八十八ヶ所めぐりを復活させようとしています。一番の大安寺から八十八番の久米寺、そして番外の円照寺まで各寺を訪ね、集合霊場としての対応を呼びかけました。

また、趣旨に賛同する多くの人から出資を仰ぐクラウドファンディングという方法で資金を集め、大和北部八十八ヶ所めぐりのガイドブックを発刊しました。

③発刊された霊場巡拝ハンドブック

発刊された本のタイトルは『大和北部八十八ヶ所霊場巡拝ハンドブック(手引き編)』です。大きさはA4版、ページ数は70ページとコンパクトです。早速私も購入して内容を見てみましたら、内容が非常に充実していました。巡拝の基礎知識、寺院のエリア別の所在地図、寺院紹介、御朱印のいただき方など懇切丁寧な説明が多くのイラストや写真とともに書かれています。

④八十八ヶ所の分布エリアと含まれる有名寺院

大和北部八十八ヶ所霊場は大まかに言って、北は奈良県の奈良市から南は橿原市まで、東は宇陀市から西は生駒郡までに分布しています。八つのエリア別に寺院の所在地がマッピングされ、上ツ道や下ツ道など古代の幹線道路をたどりながら寺院めぐりをすることなども提案されています。

また、番外・別格を含むこの八十八ヶ所めぐりには、東大寺・興福寺、薬師寺・唐招提寺、法隆寺、室生寺などの有名寺院や、海龍王寺、中宮寺、聖林寺など素晴らしい仏像のある寺、竹林寺、正暦寺、慈光院など境内や庭の美しい寺院が含まれています。

そのため、それぞれの寺の魅力を満喫しながら、弘法大師に関係する建物やお堂はどれなのか、私も興味津々で訪ねてみようと思っています。