①快晴の中秋の名月

10月4日、中秋の名月の日。朝は雲が多かった奈良ですが、徐々に青空が広がって行き昼過ぎには快晴になりました。夕暮れには西から南に細く綺麗な夕焼け雲がありました。

唐招提寺の駐車場の側にある西ノ京みやげ処「きとら」の店の前にある長椅子に座って、広々とした駐車場越しに東を見ると、春日の山並みの上に丸く白い月が見えました。満月にはわずかに早い中秋の名月です。今年も御蓋山よりは大分南に振った場所に月が出ていました。

②夕闇に浮かぶ唐招提寺の金堂

唐招提寺の南大門から境内に入ると、夕闇の中に金堂のシルエットが目に入ります。参道の両側には置き行燈がところどころに灯っています。金堂に近づくと、いつもの年と同じく盧舎那仏坐像、千手観音立像、薬師如来立像の大きな三体の仏像が燦然と光り輝いていました。

金堂から離れて右手の礼堂、東室に行くと縁側に座って月を眺めている人たちがいました。今は樹々の梢の間から月の一部が見えるだけですが、間もなく樹の上に皓皓とした姿を見せるでしょう。

③御影堂は修理中

例年、中秋の名月の日は御影堂の庭が一般公開されて、御影堂の扉も取り払われ、鑑真和上坐像(お身代わりの像ではなく、国宝の像)にも名月を鑑賞していただくのが拝観できます。しかし、現在は御影堂が修理中のため非公開です。鑑真和上坐像は新宝蔵に安置されていて、この中秋の名月の日も公開はされませんでした。御影堂の修理完成が待たれます。

④みやげ処「きとら」でグリーンティの振る舞い

唐招提寺の近辺の飲食店は、家族経営が多いためか、寺のイベントの時にも通常以外の商売をしないところが多いです。唐招提寺が通常の拝観を午後5時に終了してから、午後6時の観月讃仏会の再開門まで、お茶を飲んだり軽く食事をしたりするところが少なくて困ります。

しかし今年は食堂の「大納言」と、唐招提寺駐車場側のみやげ処「きとら」がフル回転で商売をしていて助かりました。特に「きとら」は奈良の名水「ごろごろ水」で淹れたグリーンティを、唐招提寺の観月会に来た人々に振る舞っていたのが嬉しかったです。