①奈良県西部の生駒山にある宝山寺

奈良県西部の生駒市にある宝山寺は真言律宗の大本山です。江戸時代に開かれた比較的新しい寺ですが、「生駒の聖天さん」と呼ばれ、商売の神様として人気があります。特に大阪商人に信じられたようです。

その宝山寺へは近鉄生駒駅から3つの行き方があります。1つは参道の長い石段の道を歩いて登って行く方法、もう1つは日本初のケーブルカーである近鉄生駒ケーブルを利用する方法、残りの1つは一般道を車で走って行く方法です。

私は石段の道を登って行きました。次々と目の前に出てくる石段は、お寺へ行くというより汗をかきながら山に登るという感覚です。やっと生駒ケーブルの宝山寺駅からの道と合流し、そこから両側に石灯籠がある、またもや石段の本格的な参道が延びています。

宝山寺の中心伽藍は建物が密集していました。本堂の向こうには覆いかぶさるような大きな岩山があり、その壁面の岩窟は「般若窟」と呼ばれています。遠い昔、役小角が般若経を納めたと伝えられているためです。

私が宝山寺へ行ったときは平日だったためか、参拝客はそれほど多くなかったです。しかし、本堂の前で真剣に何度も拝んでいる人がいます。また、外国からの人もいます。パワースポットとして知られているようです。

②深山幽谷の趣

中心伽藍を通り抜け、大師堂、奥の院へと石段を登って行きますと、道の両側には石造りのお地蔵さんや不動明王像などがどこまでも連なっています。それぞれの石像の前には小銭ながら多くのお賽銭が上がっています。参拝者がいろいろな思いを持って一体々々の石像に祈って行ったのでしょう。あたりは鬱蒼とした木々に囲まれ、深山幽谷の趣です。

なお、麓から奥の院までには約1000段の石段があるとのことです。