① 賑わう近鉄奈良駅の土産店

近鉄奈良駅の改札口は地下1階にあります。2つある改札口のうち、メインの東改札口を出たところに土産コーナーがあり、大勢の観光客が土産を買っています。

昨今の奈良は中国や韓国からの観光客が多いのですが、秋の観光シーズンは日本各地からも沢山の方が来ています。

これまで奈良の土産物は500円から1000円程度の手頃な価格の物が少ないと言われていたのですが、最近は次々に手頃な物や興味をそそられる物が発売されてきています。近鉄奈良駅の土産コーナーで見つけた興味深い土産を紹介します。

② 御物葛菓子「古代想」

正倉院展に合わせて販売されているお菓子に「古代想」というものがあります。吉野葛の専門店である天極堂(てんぎょくどう)が御物の形を参考に作った葛菓子で、勾玉(くがたま)、瑠璃杯(るりはい)、黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう)の3種がそれぞれ2包み入っています。

黄金瑠璃鈿背十二稜鏡は正倉院宝物の中で唯一の七宝焼でできた物で、鏡の背面に12の稜(角)のある模様が付けられています。

この葛菓子は「指でつまむ」と言うのがピッタリの小さなものですが、食べるとホロリと砕け、上品な甘さが口に広がります。食べる物に、ボリュームではなく本当の美味しさを求める人にお勧めの商品です。価格は1箱864円(税込)です。

③立方体の箱入り菓子「大和し美し」

祥樂(しょうがく)という店の一角へ行くと、一辺8センチメートルくらいの立方体の箱が数多く積み上げられてあります。正倉院模様をイメージして作られた色とりどりの箱には、あられ、クッキー、豆菓子、チョコ、ラムネ、柿スライスなど、箱ごとに異なるお菓子が入っています。

「大和し美し」と名付けられたこのシリーズは、好きなお菓子の箱を選んでバラ買いすることも、4個や6個組み合わせて贈答用の箱入りにすることもできます。1箱の価格は中の菓子の内容によって約300円(税込)から600円ですから、予算に合わせて選択ができます。

箱の大きさから推測ができる通り、1箱に入っている菓子の量は多くないですが、綺麗な古代模様の箱がいくつも揃って見え、次々と種類の異なる菓子を食べられるため土産として好評です。

④たる酒「かおりすぎます」

辛党の人への土産としてユニークなのは「GOTO-CHI」という店にある杉樽酒です。吉野杉の枡が2個と吉野杉の小さな板が3枚付いていて、酒は吉野の北岡本店「やたがらす」の純米たる酒です。この土産の正式名前は「たる酒かおりすぎます」とヒネリが効いていて面白いです。

価格は2,160円(税込)とちょっと高めですが、枡で飲む酒はまた格別ですから、酒好きの人には喜ばれるでしょう。

なお、この土産は酒部門で人気がナンバー2のもので、酒部門のナンバー1はボトルの中に桜の花がある「さくらさらさら」です。こちらは女性に受けます。

⑤奈良の土産の古典的名品

最近作られ販売されたものではありませんが、味が良く、リーズナブルで、さらに運搬に便利なコンパクト包装のため、以前から旅行者の評価が高い土産物が奈良にはあります。

それは株式会社「白玉屋榮壽」の「みむろ最中」です。今回も土産物店「GOTO-CHI」で売上ナンバーワンでした。小型の最中が10個入って1,000円(税込)です。

なお「みむろ最中」については当ホームページ2012年6月27日掲載の記事「奈良の社寺のお菓子」でも紹介しています。

写真
観光客で一杯の奈良の土産物店
御物葛菓子 古代想
種々の立方体の箱入り菓子
たる酒かおりすぎます
売上1位は古典的名品